寒肥(かんごえ)のやり方

この記事は、弊社発行の『花梨の樹 2022-2023年 冬季号』から抜粋、加筆したものです

一年間健やかに育ってお庭を彩ってくれた庭木たちへの感謝を込めて、寒い時期に施したい「寒肥(かんごえ)」。
次の年も庭木たちの元気な姿を見せてもらうために、適切な方法を知ってご自身でも挑戦してみていただけるよう、詳しい方法をご紹介したいと思います。肥料はホームセンターで買えますし、そんなに難しくはないのでぜひやってみて下さいね!

時期について

12月~2月ごろまでの、十分に寒さが深まっている時期に施します。
この時期に有機質の肥料を土に漉き込んであげることによって、暖かくなるころに土中の微生物が活発に働き始めて肥料を分解し、ちょうど植物たちが栄養を欲し始めたタイミングで良い具合に分解された肥料が効いてくるのだそうです。微生物たちの活動が、植物の活動と上手く噛み合っているのですね。
自然の働きって本当によくできていますね。

肥料の種類

与える肥料は、ホームセンターなどで買える「寒肥」と表記のあるものであれば間違いないです。油かすをベースに骨粉などを配合したものでも大丈夫です。
肥料を土に漉き込むときに、腐葉土やバークたい肥も多めに混ぜてあげると、肥料が効いた後に毛虫などが発生しやすくなる現象を抑えられ、土もフカフカになって植物が育つのに適した環境に近づきます。
量は、買った肥料の袋などにも目安が書いてあるかと思いますが、低木で1本あたり100~200g、高木だと倍の200~400g程度です。この量の肥料を、多めのバークたい肥や腐葉土と混ぜて、土に漉き込んであげます。

与え方

さて、肝心の与え方ですが、木を見たときに、枝を広げていますよね。その広げた枝の先端から、真下あたりに根っこの先端もいると考えられます。
植物は、先端の細かい根っこのところがよく伸びて栄養を吸収しやすいので、できればそういった根っこがいるあたりを掘り返して、そこに肥料を漉き込んであげるのが望ましいです。
その際、細根を傷つけてしまっても、新しい根の発生を促すことにも繋がるので大丈夫です。
そうやって、木の根っこの先端がいるあたりで木の周囲ぐるりを掘り返し、肥料をまんべんなく漉き込みましょう。

レッツトライ!

意外と簡単にできそう、と思っていただけていたら嬉しいです。
庭にたくさん木がある方は、全部の木に寒肥を施すのはすごく大変だと思うので、「ちょっと今年元気がなかったかな?」と思われる木を選んでやってみて、春の芽吹きの違いなどを観察されてみるのも楽しいのではないでしょうか!

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