自身で庭の手入れをされる際、出た草や枝葉などの処分が大変という話をよく聞きますが、皆様はどうされているでしょうか?
脚立を使って太い枝をバンバン切るようなワイルドな手入れをされている場合はまた別なのですが、細かい枝葉や刈り草などであれば、土と接するようにある程度広げておくと意外とすぐに馴染んで分解されるうえ、土壌にも優しいですよというお話をしてみようと思います。
年間管理で度々手入れをさせてもらっているショッピングセンターでのことなのですが、アベリアというよく伸びる低木の刈り込みを行った後、いつもは刈った草や枝葉はパッカー車に積んでクリーンセンターへ持っていき、すべて焼却処分してしまいます。ただ、近頃は土壌の循環等について考える機会が多く、「剪定ごみ」という言い方ひとつとっても「ごみではないけどな…」と感じることが多々あるため、業務に支障をきたさない範囲でできる手段は実践したいと考えていました。
それで今年の手入れの際、出た枝葉の大半を低木の茂みの中のほうに入れて敷き均すというふうにしてみたのです。
そうすることでマルチング(保湿、雑草抑制などのために土の表面を覆うもの)の効果があるし、ゆくゆくは土に還って循環するだろうという狙いだったのですが、これが思った以上にうまくいって、しばらく後に近くを通りがかった際に見ると、敷き均した枝葉のカサが減り、ナチュラルで感じの良い見た目になっていました。

道路ぎわなどのよく目につく部分はさすがに掃除していないように見えるかと思って避けたため、キワから雑草がかなり生えている部分もありましたが、低木の中からたくさん生えていた雑草の量は減っていました。
直後の見た目が気になるという人もいますし、枝葉の粗さや種類によってはうまく馴染ませるのが手間だったりもするので、どこでも実践可能というわけにはいかないのですが、このときは施設担当者の方が賛同してくださったこともあり、上手くいった事例となりました。
枝葉が分解されるのは、土の中にいる微生物の餌となっているということですので、微生物の量や種類も増えていってくれる可能性がありますし、今後手入れに入るたびに同じように枝葉を土に還元していくことで、良いサイクルができていけばと思っています。
ご家庭での実践としては、例えば草引きなどされた際に集めた草を庭木の根元などに少し厚め(3~5センチくらい)に敷いておいてあげると、土がカラカラになりにくく木に優しいです。また、雑草がよく生える場所にも敷き均しておくと生え方が落ち着くこともあります(これに関しては防草シートを突き破って生える草もあるため一概には言えないのですが、多少の抑制効果があるのは間違いないです)。
やっぱり見た目が気になる…という場合は、目につきにくい場所で一旦ある程度広げておいて、茶色くなってきてから使うと気になりにくいです。剪定の枝葉や、ちょっと背丈のある荒っぽい草は、ハサミで10センチ前後ぐらいに切ると良い感じに使えますよ。
ここからは余談なのですが、弊社では去年から剪定枝葉のちょうどよい粗さのものを堆肥化して植栽時に土に混ぜて使う試みもやってみています。
お客様の庭でもときどき堆肥を作るための一角を設けていらっしゃる方も見えますが、それをちょっと大規模にやっているというイメージです。

これだけの厚みで積んでいると、中のほうに手を入れると蒸し風呂のように暖かくて、中で微生物が活動しているのかな〜など想像できておもしろいです。
去年作った堆肥は思ったよりも早いペースで使い切ってしまったので、今年のぶんも早く良い感じに熟してくれるのが楽しみです。

