この記事は、弊社発行の『花梨の樹 2021年夏号』からの抜粋です
前回、害虫対策のお話を書かせていただいたのですが、お客様から早速「イラガの繭を探して駆除したで!」などのお声をいただき、施主様の意識が変われば、庭はもっと良くなるだろうな~と実感しました。
そこで今回は前回に引き続き第2弾!「だれでもできる簡単な剪定方法」を書きたいと思います。植木屋さんに手入れしてもらうのは年一回で、それまでに結構伸びるから自分で切ろうと思うけど、どこ切ったらええかわからん!というお客様必見です。
まず、木のことを知る!
まず、切ろうとしている木の名前がわからないというところから始まるのではないかと思います。最近ではスマホのGoogleアプリ(無料)で対象物を撮ると、Googleが名前を教えてくれます。(100%ではありませんが、高確率で判明します。)何と便利な世の中になったのでしょう?私たち本職も「Google先生」と呼んでしまっています(笑)。
木の名前がわからなくても、葉っぱを全部切ってしまうような丸坊主にでもしない限りは、ほとんどの樹木は枯れたりしないのでご安心ください。
Googleアプリのダウンロードは以下からどうぞ。
いよいよ剪定にチャレンジ!
木の剪定には大きく分けると2種類あり、大きな刈込みバサミなどで樹姿を丸く整える「刈込み剪定」と、太枝切りハサミなどで枝を間引く「枝抜き剪定」があります。前者の基本は、葉が残る程度に丸く切っていく剪定方法で、比較的初心者でも作業しやすいのですが、今回は後者の「枝抜き剪定」を簡潔に説明したいと思います。この「枝抜き剪定」を理解しておくと、植木を格好良く整えられますのでお薦めです。
「枝抜き剪定」のポイントはたった一つ、「伸びた邪魔に思う長い枝はなるべく根元で切る」ことです。このたった一つの作業を樹姿が涼しく見えるまで繰り返し行うと、剪定は完了します。そして木にとって次のようなメリットが生まれます。
- 枝先だけを切るのではなく、枝の根元を切ることで、混み合う部分が少なくむれにくくなり、病気や害虫の発生を抑制します。
- 木の花芽や実は徒長した枝(強く伸びている枝)には付けにくいので、強い枝を切ると、結果的に花芽などは自然と残っていきます。
- 玄関先によく植えられている成長が早いシンボルツリー(オリーブやシマトネリコ、ユーカリポポラス)などもこの方法で剪定を行うと、風通しの良い、見栄えの良い樹姿に仕立てることができます。
下図も参考にして、伸び過ぎた枝を手入れしてみてください。木の風通しも良くなって、お庭の景観も良くなりますよ。(花房)