この記事は、弊社発行の『花梨の樹 2023年 春季号』から抜粋、加筆したものです
一口にツツジと言っても種類はたくさんあるのですが、よく見かけるのはヒラドツツジ・キリシマツツジ・サツキツツジなどで、「うちの庭にもあるよ!」というお宅も多いかと思います。
これらのツツジは、みんなちょっとずつ開花時期が違いますが、だいたい春から初夏にかけて咲き、花が終わるとすぐに次の年に咲く花の準備を始めます。
つまりどういうことかというと、例えば4月に花が咲いて、5月に咲き終わったと思ったらすぐに花芽を作り始め、7月ごろにはもう準備万端、「来年も花をいっぱい咲かせるよ!」という状態になってしまっているということです。そのような状態になってしまってから剪定で小さくしてしまうと、枝先についている花芽がなくなって、翌年花が咲かない(または極端に少ない)という事態になりかねません。
ですので、ツツジ系をコンパクトに維持したいのであれば、花がしおれて見ごろが終わったな~というときが剪定のベストタイミングです。このときにひとまわり小さくするようなイメージで刈り込むと、毎年の花を楽しみつつも、年々ツツジの玉が大きくなって庭を圧迫するといった事態を防ぐことができますよ。
剪定方法ですが、毎年刈り込んでいるツツジなら同様に丸く刈り込むだけで良いですが、よく観察すると去年刈った切り口が発見できるかと思うので、そこのサイズまでは小さくするように意識してください。また、強い枝が出ているところや枝が密集してごちゃついているところは、枝分かれしている柔らかい枝を残して切り戻してあげるとすっきりします。
刈った後も夏の気候でよく伸びますが、7月以降は刈り込まずに、伸びすぎた枝だけを切るようにしてください。その伸びた枝の頂部にもおそらく花芽がついているので、特に形の乱れが気にならないようであれば、来年の花終わりまで切らずにおいてももちろん良いです。
ツツジ系は、綺麗に丸く枯れると楽しいですし、庭が整った感じを手軽に出せるのでぜひ挑戦してみてくださいね。